武術は立つのが難しい
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武術には基本功(きほんこう)というのがある。
基本功というのは、簡単に言うと超基本的トレーニングのことである。
普通のスポーツで言うと、筋トレとか基本鍛錬というヤツであるが、動きの根幹をなす基本動作をひたすら繰り返して錬るのが基本功だ。
中国武術には様々な基本功があるが、その中でも特に有名なのが立禅(りつぜん)とかタントウ功というやつ。
立禅とは立ってやる禅という意味で、タントウ功というのは、杭のように地面にまっすぐ立つということを意味する。
これは、ただ立っているだけのトレーニングで、時間にすると5分から30分くらいただ立つ。
立つだけで強くなれるかというと、もちろん筋力的に強くなるわけではない。
しかし武術というのは、やればやるほど、立つと言うことが難しいなあと感じるモノなのである。
ドッシリ構えれば安定はするが、動きにくくなる。
動きやすくくしようとすると、今度は安定感が無くなる。
太極拳の立禅 動画
股関節を使って動く。
武術の基本功の一つ、立禅・タントウ功。
これはただ立つだけの訓練法だ。
しかしただ立つだけだと言っても、門派によって様々な要訣があって、バリエーションも色々ある。
しかし共通の注意点というのもあって、
- ヒザは足のつま先より前に出さない
ヒザを前に出さないというのは、これをやるとヒザを確実に痛めるからで、禁忌・タブーである。
因みに、つま先とヒザの先端と鼻の先端を同一垂直線上において、そのラインで突きを出すのは、一つの秘訣である。
で、立禅・タントウ功で鍛えているのは、実は足腰の筋肉ではなく、股関節の動きだったりする。
股関節を開いたり閉じたりすることによって、身体を動かすことを練習するワケである。
足の指でしっかりと地面をつかんだ状態で、下腹部の肉を太股の前面にひっつけるようにすると、股関節が閉じて、身体が動く。