技の名前に動物が出てくるわけ
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太極拳で老後の健康作り。
ここからはユーチューブ動画を見ながら、24式健康太極拳の動作を考えていく。
その前に少し技の名前の説明をしておく。
中国武術の場合、技の名前というのは2つのタイプがあって、動物の動作などを技の名前にしている場合と、手足の動かし方をそのまま技の名前にしている場合がある。
動物の動作をたとえにして技の名前にしているのは伝統拳と呼ばれる古い技法に多く、たとえば「双龍出海」(2匹の龍が海に出る)みたいな技名になる。
こういう風に動物の動作にたとえるのには二つの目的があって、まずは技の雰囲気を覚えやすくしていること。
たとえば双龍出海と聞くと、その技を知ってる人にとっては身体の運用法がパッとイメージできて覚えやすい。
この場合は両掌を、龍が海に出ていくイメージで前に突き出す感じの技だということだ。
ただしこの技がどういう技でどういう風な用法で使うのかは、その門派の門人にしかわからない。
つまり動物の動作などで技名を付けるのは「他門派の人間に技の内容を隠す」という目的もあるわけだ。
しかし現代ではこう言う名前の付け方をすると、動作がわかりにくいというので、手足の動作をそのまま技名にしているケースも多い。
太極拳の場合は前者が多いようだ。
24式太極拳 動画
太極拳の始まりは、両足を揃えて閉じたところから始まる。
これは中国武術の套路(とうろ:型)では一般的らしい。
なのでまず足を開いて演武の準備をする。
この動作を予備式(ユイペイシー)と呼ぶ。
套路の最初に開門式と呼ばれる動作を付け加える場合もある。
これは門派独特の動きで、一種の挨拶である。
つまり太極拳には太極拳の形があって、八極拳には八極拳の形があって、それを演武の最初に演じることによって、「これから太極拳の套路を演じます」「これから八極拳の套路を演じます」と言う風に示すわけである。
因みに太極拳の場合は、両掌を上に向け、体側から左右に拡げて上げて行き、顔の前で左右の指先を合わせてそのまま丹田の所まで降ろしていくという形が多いようだ。
この動きは掌で宇宙に満ちている「気」を集めてそれを丹田に押し込むのだ…とかいう説明を読んだこともあるが、ホントかどうかは定かではない。
私はまあ、深呼吸のようなものだと思っているが。
というのも両手を左右に拡げて横から上に挙げると、胸郭が上に引き上げられるので息が胸に入ってくる。
両手を下に降ろすと胸郭が下がって息を吐くという動きになるから。
他の門派の開門式も、深呼吸的な要素が入っているモノが多いように思う。
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