肩を股関節に合わせるとは?
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太極拳の英語の本の楼膝拗歩のところに、興味深いことが書いてあったので、ちょっと検討してみます。
「右手を素早く前に押し出すとき、力を用いてはいけない。
でも右手は自発的に前に動く。
これはなぜか?」こういう風に書いてあるんですね。
よく、太極拳では力がいらないといいます。
四両撥千斤(しりょうはつせんきん)といって、「わずかな力で大きな力をはじく」と言うんですが、そのメカニズムの一端がここにあるようです。
抜粋して書き出してみると…
ただそれだけで右手は視線の方向に付いていく。
右手を前に押し出すことを考えないで、右肩を左の股関節に合わせ、右肘を左膝に合わせ、右手を左足に合わせる。
そうするとアナタの右手は自然に前に押し出されていき、右腕はわずかに外向きにねじられ、右足のカカトは外に出る。
腰の右側はわずかに左に向いて、まるで二つの腎臓がお互いに近寄ったようになる。
この瞬間に左手の掌が後方・下方に押し、右手の前方への力が生まれる。
これは大きなヒントですよね。
右肩・右肘・右手をを左足のラインに乗せて打つ
太極拳の楼膝拗歩で掌を打ち出すとき、力を入れてはいけないと書いてあります。
じゃあどうするかというと、右肩を左股関節に合わせると書いてあります。
さらに右肘を左膝に、右手を左足に合わせると、勝手に前向きの力が生まれるとあります。
ここの部分、原文ではこうなっています。
レコードの溝と言っても、生まれたときからCDがあった若い人にはわかりにくい表現かも知れませんが、別の言葉を使えば「レールに乗せる」ってことです。
東京から大阪へ向かう線路のレールに車両を乗せたら、目的地である大阪に向かって一直線に進む、と言う感じでどうでしょうか?さらにこの表現の解説・意味として脚注があって、「心の中で、右肩を左股関節に、接触させる」と書いてあります。
肩こりのツボである肩井(けんせい)を、股関節の外側にある環跳(かんちょう)に合わせるとあります。
環跳というと、股関節痛などに使われるツボで、ローキックで狙うポイントの一つでもあって、蹴られると立てなくなったりする急所ですが、この二つのツボを近づけようと意識すると掌が走るわけですね。
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