太極拳がなぜ転倒防止になるのか
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年をとると怖い転倒。
年をとると柔軟性が無くなるから、転んだらそのまま身体を地面に打ち付けてしまう。
そのときに手で支えようとすると手を骨折するし、上手く転べなくて骨盤の側面を地面に打ち付ければ大腿骨頸部骨折で歩けなくなってしまう。
また家の中でも絨毯に足を取られたり風呂場などで足を滑らせて転倒すると、頭を打ってそのまま死んでしまうと言うことも年寄りにはよくある事故だ。
そう言う具合に年寄りになると、ちょっとしたことで転倒して、それが死につながってしまうわけである。
この転倒の予防や防止に太極拳が良いという。
というのも太極拳は、ユックリとした動作で下肢(足腰)を鍛えることが出来るから。
筋トレというと、どうしてもバーベルやダンベルなど、重いモノを必死で持ち上げたりして負荷をかけて鍛えないといけないようなイメージがあるが、それは年寄りにとっては辛い。
そんな激しい運動をすると心拍数も上がるし血圧も上がってしまうし、関節にも大きな負担がかかるから、故障するリスクも多い。
しかし太極拳の場合は動きが緩慢だから、心拍数は大して上がらない。
腰をしっかり落とさなくても練習できるので、血圧もそんなに上げずにトレーニングできるというわけだ。
太極拳で立ち方・歩き方が変わる
太極拳を練習すると、あまり激しく動かないので、心拍数や血圧を急上昇させずに運動をすることが出来る。
バーベルなどのウエイトを使って身体に高負荷をかけるトレーニングでは、筋肉や身体を極度に緊張させるから、どうしても心拍数や血圧が上がってしまうんだね。
しかし太極拳の場合は中程度の負荷なのでそれほど心拍数や血圧を上げずにトレーニングすることが出来るというわけだ。
そして太極拳を練習すると股関節が使えるようになる。
太極拳では胴体をひねらずに股関節を使って動くように練習するから、股関節を使った動きが上手くなる。
イメージとしては股関節から上の部分を一つの塊ととらえ、それを股関節から下の部分で運ぶイメージ。
ボクシングのように、足は上半身を運ぶ作業に重点があって、股関節より上の部分は足運びに影響を受けない。
だからこそ呼吸が安定し、背筋をまっすぐに伸ばして動くことが出来る。
これは日本の古武術でいう「ナンバ」と同じ考え方ってことになるかも知れない。
そしてこのことが太極拳の別の健康効果につながってくる。
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