前屈から始めよう、柔軟のコツ
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年を取ると一番困るのが、柔軟性がなくなっているって事だ。
子供の頃や若い頃は、何の苦労もなく動けたことが、年を取ると苦労だらけになってしまう。
たとえば五十肩は方に激痛が走って、後方に腕を動かせなくなってしまう。
私も半年以上五十肩に悩まされたが、これは本当に辛い。
それから老眼もやはり、目の筋肉の柔軟性が失われているって事で、目の疲れだけでなく、頭痛もひどいし肩こりもひどくなる。
平均寿命が50才から100才に延びようと言うのに、なぜか五十肩は五十が近づくとなってしまう。
これはもう明らかに使い減りってやつで、身体の使い方に無理があったって事だろう。
若い頃は身体も柔らかいし、第一骨がまだ完成されていなくて軟骨だらけだから、無理のある動きをしていても問題はなかったが、年を取るとそうはいかない。
ということでまず、柔軟性をいかに保つかって事が、老後を健やかに過ごす秘訣って事になるだろう。
そのためにまず、前屈から取り組んでみることにする。
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股関節はなぜ柔らかくないといけない?
体力測定では、前屈と上体そらしを測る事が多い。
開脚だとか、横にどれだけ身体を傾けられるかなんて事は測らない。
つまり身体の柔軟性は、前屈と上体そらしを測れば分かるということなのだろう。
じゃあなぜそれで柔軟性が分かるのかというと、おそらくは股関節が体の中で一番可動範囲が大きな関節だからだろう。
一番可動範囲が大きな関節が硬くなっていると、当然他の関節に負担がいくので、体中の関節が硬くなっていくという事が考えられる。
股関節をガードルやコルセットなどでガチガチに固めて動いてみると、なるほどあちこちの関節に負担がかかって、普通に歩くのも無理だ。
同様に背骨の骨や筋肉が固まっていると、下半身の振動が逃がせなくなって、上体が左右に揺れたり、振動が頭まで達することになる。
健康によいとされる太極拳などでは、ひざや股関節は絶対に伸ばさないが、それは実は足から伝わってくる振動を、頭に伝えないためだという。
人間は歩くとき、地面から大きな反発力(垂直効力)を受け取っているが、それを膝や股関節や背骨のS字カーブを使って上手く分散させている。
それが証拠に、普段何気なく歩いている歩道でも、後ろ向きに歩いてみると、思った以上のでこぼこ道でビックリする。
そんなでこぼこ道を、普段は意識することなく歩けるのは、膝や股関節や背骨が柔軟だからであって、だからこそ股関節や背骨の柔軟性が大事なわけである。
そして身体に負担の少ない動き方を心がけなければ、他の関節にも無用の力をかけて、身体はガチガチに固まってしまいかねない。
だからこそ、まず前屈をマスターして、股関節をゆるめるべきって事なんだろう。